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2019.12.3

東京に迫る不動産好調エリアの名古屋 そのインバウンド力は本物か

(写真=TippaPatt/Shutterstock.com)
(写真=TippaPatt/Shutterstock.com)
名古屋は地価上昇エリアとして急浮上してきたエリアです。しかし実際にどれくらいの上昇率でどんな要因で上昇しているのでしょうか。そこで本記事では名古屋の好調エリアの理由や不動産動向、継続性などについて関連データに基づき解説します。

名古屋の地価上昇率は、五輪を控えた東京に匹敵する

(写真=f11photo/Shutterstock.com)
(写真=f11photo/Shutterstock.com)
はじめに名古屋市内の平均的な地価上昇率を「五輪を控えた東京」と比べてみます。三菱UFJリサーチ&コンサルティングのレポートによると東京と名古屋の2017~2019年の公示地価の動向は次の通りです。
 
・全用途平均(前年比)
地域 2017年 2018年 2019年
東京圏 1.3% 1.7% 2.2%
名古屋圏 1.1% 1.4% 2.1%
出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング 経済レポート「最近の地価の動向と今後の見通し」
 
・住宅地平均(前年比)
地域 2017年 2018年 2019年
東京圏 0.7% 1.0% 1.3%
名古屋圏 0.6% 0.8% 1.2%
出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング 経済レポート「最近の地価の動向と今後の見通し」

上記の表を見ると全体的には東京の上昇率が上回っています。しかし2019年は過去2年間よりも伸び率が高いにもかかわらず名古屋は東京に 0.1 %差です。さらに商業地(市中心部)に限ると2019年は東京と名古屋は完全に並んでいます。(下記の表参照)
 
・商業地平均(前年比)
地域 2017年 2018年 2019年
東京圏 3.1% 3.7% 4.7%
名古屋圏 2.5% 3.3% 4.7%
出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング 経済レポート「最近の地価の動向と今後の見通し」

つまり3年間を通すと東京優位ですが直近では限りなく東京に近い上昇率といえます。

オフィスビル・商業施設に加えて、ホテル用地争いも地価上昇に影響

(写真=luchunyu/Shutterstock.com)
(写真=luchunyu/Shutterstock.com)
一地方都市の名古屋の勢いが五輪を控えた東京に匹敵する理由は2027年に開業予定の「リニア中央新幹線」です。直接的な工事に加えて中心部のオフィスビル・商業施設の開発が本格的に動き出していて地価に大きな影響を与えています。さらに名古屋の地価を押し上げている要因の一つは、インバウンドマーケット拡大による「ホテル用地争い」です。

一般的にホテル用地は利便性の高い路線の駅前に集中しオフィスビル・商業施設・マンションなどの立地とバッティングします。そのためホテル開業ラッシュのエリアは地価上昇の流れになりやすいのです。CBREが2018年に公表した特別レポート「2020年のホテルマーケット展望」では、2017~2020年の間に名古屋のホテル客室数はそれまでの約 1.3倍になると見込んでいます。

この増加ペースは、インバウンドで好調といわれる札幌市や福岡市を上回るものです。それほどまでに名古屋のインバウンドニーズは強く地価押し上げの強い要因になっていると考えられます。

名古屋のインバウンドにはビジネス目的という強みもある

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
ホテル急増による地価上昇があるとその反動を懸念する人もいるでしょう。前出のCBREのレポートでは、既存の約1.3 倍に名古屋のホテル客室数を増やしても(2020年段階で)求められる数に対して「2,100室足りない」と分析しています。あわせて同レポートでは「インバウンド需要の増加は日本だけでなく世界的な潮流」という理由で東京五輪後の落ち込みも否定。

また名古屋には観光目的だけでなくビジネス目的の訪日旅行客も期待できるアドバンテージもあります。現時点でも名古屋の訪日旅行客の約33.8%はビジネス目的(会議・展示会・研修など)です。さらにOKB総研の「リニア開業が迫る名駅と名古屋の開発展望」では名古屋の持つMICE(国際会議や展示場など)をうまく活用すれば、さらなる訪日旅行客の増加が期待できると提言しています。その概要は次の通りです。
  • 名古屋市内には、中心部に近いMICE関連施設がある
  • 一例は「ポートメッセなごや」「名古屋国際会議場」「ナゴヤドーム」など
  • 空港や港湾に近い立地のMICEには展示品や大型機材を搬入しやすい
  • 加えて、中部国際空港(セントレア)の隣接地に国際展示場「アイチ・スカイ・エキスポ」がオープンして新たなMICEとして期待される

リニア完成で名古屋のインバウンドニーズがさらに高まる可能性

ここまでの内容を見るとリニア新幹線開業をかなり後に控えているにもかかわらず、すでに名古屋は強いインバウンドニーズがあり、さらにビジネス目的が機能すればマーケット拡大も期待できることが分かります。今後世界的に注目されるリニアが完成すれば、それをひと目見るために国内外の観光客が大挙することは想像できるのではないでしょうか。

これらのことを勘案すれば今後リニア開業後の名古屋がさらなるホテル不足に陥る(=不動産の価値が上がる)可能性もありえるといえます。
 

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