働かせる
2019.11.14

どちらを選ぶか? 利便性の賃貸マンションと低コストのアパート

(写真=S_L/Shutterstock.com)
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アパートの建築費は比較的安く、もともと敷地を持っていれば土地代もかからないのがメリットだとされています。その一方で、居住面での快適さでは、賃貸マンションに分があります。では、不動産経営においてはアパートと賃貸マンションのどちらを選ぶべきでしょうか? ここでは、コストと入居者確保の視点からメリット・デメリットを検証してみましょう。

続々と建築されている木造・鉄骨系アパート

(写真=sculpies/Shutterstock.com)
(写真=sculpies/Shutterstock.com)
住宅着工統計(国土交通省)によると、住宅着工件数はここ3年のうちに95万戸前後で推移し、10年前(78万戸)から増加傾向にあります。持ち家の建築が微減傾向である一方、健闘しているのが賃貸住宅です。40万戸前後の着工件数は、10年前(28万戸)の4割増に相当します。

賃貸住宅建築のうち、木造・鉄骨系アパートは27万戸と、全体の7割近くを占めています。供給を押し上げているのは、実需とは関係ない相続税対策です。2015年(平成27年)の税制改正で相続税の基礎控除額が引き下げられ、課税ベースが一挙に拡大しました。節税したい不動産オーナーが、遊ばせている土地を利用してアパート建築に走ったのです。これに、貸出難に苦しむ金融機関と、アパートを売りたいハウスメーカー・不動産業者が便乗して、アパート経営ブームに火が付きました。

節税目的とはいえ、所有する土地の有効活用策としてのアパート建築は、一定の合理性がうかがえます。敷地取得の資金が不要な上に、(工事費が高騰する中で)アパートは比較的低コストでの建築が可能です。ちなみに1平方メートル当たりの工事費は、鉄筋コンクリート系が24万円に近いのに対し、木造系は17万円で済みます。

一方、アパート経営を手掛けるのは不動産オーナーばかりではありません。昨今は、不動産業者が「ランドセット」と呼ばれるプランの売り込みをしています。ランドセットとは、土地を持たない顧客に対して、敷地とアパートの一括購入を勧めるプランのことです。

ランドセットはもともとの地主に敵わない

(写真=Kirill Neiezhmakov/Shutterstock.com)
(写真=Kirill Neiezhmakov/Shutterstock.com)
人口減により需要が減る中で建築ラッシュが続き、アパート賃貸市場は厳しい環境に置かれています。地方だけでなく三大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)でも、郊外はアパートの空室率が高止まりしているのです。

当然、アパート同士の競争も熾烈になります。このランドセットと不動産オーナーのうち、どちらに軍配が上がるのでしょうか。まずコスト面ですが、ランドセットの場合は、用地取得分資金の返済および金利負担が重くのしかかります。借入金の担保掛目も高くならざるを得ず、融資条件でもハンデを負います。

入居者の確保でも、コスト面で優位な不動産オーナーは家賃を低めに設定することができます。それだけではなく、地元にネットワークがあることも、入居者集めに際して優位に働きます。つまり、ランドセットには勝ち目がないといえそうです。

利便性の高いエリアの賃貸マンションを

(写真=studiovin/Shutterstock.com)
(写真=studiovin/Shutterstock.com)
鉄筋コンクリート系の賃貸マンションは、確かにアパートよりも建築費が割高です。その一方で、人気度を比較すると圧倒的に賃貸マンションが有利です。例えば、大阪府における空室率はアパートが25%を超えるのに対し、マンション系は7%台にとどまります。このトレンドには、一人暮らし世帯の増加も影響しています。一人暮らしは、多少狭くてもより快適に暮らせるマンション系が選ばれる傾向にあります。

エリアとしては、利便性が高く、治安の良い地域が選ばれるようです。最近では、北摂エリア(豊中市・高槻市・大阪市淀川区などを含むエリア)に注目が集まっています。より利便性を指向するタイプは、大阪市内の北区・福島区・天王寺区といったエリアが人気です。逆に不人気なのは、府内の東部エリアや南河内、市内だと生野区・西成区・東淀川区といった地域で、入居者集めにも苦労するでしょう。

賃貸経営の成否は、入居者確保で決まると言っても過言ではありません。賃貸経営の本質は「ユーザーに喜ばれる住まいを提供すること」にあります。だからこそ、建築費が多少高めでも便利に安心して暮らせるエリアで賃貸マンションを選ぶべきだといえます。
 

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